それでもハラは減る

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出会ったことのない不思議な物語。河﨑秋子『鳩護』

読むこと#12

河﨑秋子『鳩護』

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タイトルが気になり購入しました。

 

 

はともり

と読みます。

 

 

 

なんとも言えない、不思議系…。

 

都内の出版社で働くアラサーOLの元に、

ある日一羽の白い鳩が迷い込む。

 

その日から、不思議な男に絡まれたり、

「鳩護」をめぐる不思議な出来事に巻き込まれたりしていく。

 

 

 

主人公が見る夢の中の描写がリアルで、

それからハトがしっかりハトとして描かれているのが私は好きです。

 

「鳩護」という響き、そしてそれが役職のようなものだと分かってから、

ハトを相棒かなにかのように従えるのかと思ってたのですが、

本作ではハトはあくまでハトのまま。

 

その関係性というか、いい意味で思うようにならない感じがちょうどいい。

 

 

 

あと主人公と同じOLぽんとしては、

主人公が吐く鬱憤にちょくちょく共感でした。

 

 

 

正ー直言って、大どんでん返しがあるとか

超感動の結末があるわけではない。

 

でも、知らない世界に目を向けるきっかけ、

ハトという生き物への著者の興味・親しみにはぐいぐい引っ張られます。

ちょっと出会ったことのない物語。

これだから読書はやめられない。