それでもハラは減る

毎日20時更新、読んだ本と美味しいモノのこと。

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

静謐で清らかな、僕と謎の物語。小川洋子『ブラフマンの埋葬』

読むこと#52 小川洋子『ブラフマンの埋葬』 さすがの小川洋子ワールド、 この静謐な空気が好きなんだ。 「創作者の家」。 主人公は、そこの住みこみ管理人の青年「僕」。 ある日、ふしぎな生き物を見つけます。 大きさは、頭が手のひらにおさまるくらい。 暗…

豆腐にパスタに焼きそばに!パラパラちょい足しモロヘイヤ。

食べること#70 モロヘイヤふりかけ ※焼きそばの話じゃないです、 万能×栄養価も◎なふりかけに出会ったので、その話を。 大盛食品の、モロヘイヤふりかけ。 モロヘイヤだって。モロヘイヤ。 なかなか普段買わない野菜、だいぶ上位。 のわりに、かなり栄養価が…

ぞわっと×切ないSF。木皿泉『カゲロボ』

読むこと#51 木皿泉『カゲロボ』 えっこれ本当に木皿泉??? 人間や動物そっくりのアンドロイドが日常に溶けこむ。 そんな、非日常、 でも近い将来に絶対無いとは言い切れない、 不思議でファンタジーでちょっと不気味な短編集。 木皿泉といえば『昨夜のカ…

どんな子供だったか。どんな大人になりたいか。薬丸岳『ガーディアン』

読むこと#50 薬丸岳『ガーディアン』 物語の舞台は、ある中学校。 以前はかなり荒れた学校だったけど、1年ほど前からぐっと平和に。 校内に設けた投書箱のおかげ? ただ、妙なことが。 いじめも非行もほとんどないのに、長期欠席の生徒が多い。 増えたのは、…

でっかい一枚、しょっぱい部門殿堂入りの揚げおかき。

食べること#69 揚御門 好きなお菓子・しょっぱい部門。 この激戦の部門で、ぽん的殿堂入りしてるのがこれ。 御門屋の揚げあられ、揚御門。 御門屋といえば揚げまんじゅうが有名だけど、この揚げおかきも美味しいんだぁ…。 (もちろん揚げまんじゅうも大好き…

“しぞーかおでん”で、大根の概念ひっくり返る。

食べること#68 静岡おでんの大根 夏本番の前に、 冬のうまいモノをしっかり振り返っておきましょう。 カメラロールみてたら、あったよこれだよ。 真冬の静岡旅行で出会った、最強おでん。 お店は、静岡駅から10分くらい歩いたところにある「静岡おでん串焼き…

“におい”から始まる小説がすき。

読むこと#49 イイ小説は、書き出しがイイ。 今日はいつもとちょっと趣向を変えて、ぽんにとってぐっとツボに刺さる書き出しについて話したい。 まず思いつくのは。 「森の匂いがした。 秋の、夜に近い時間の森。 風が木々を揺らし、ざわざわと葉の鳴る音がす…

割るだけ手軽、脳がよろこぶショコラカフェオレ。

食べること#67 プシプシーナ珈琲のカフェオレベース 牛乳で割るだけで、とびきり美味しいカフェオレが飲める! 香川・高松のロースタリーカフェ「プシプシーナ珈琲」。 1日に少量を、大切に大切に挽いて提供してるお店。 ドリップパックのコーヒーや水出しコ…

気持ちいい狂気にどっぷり浸かりたい。今村夏子『むらさきのスカートの女』

読むこと#48 今村夏子『むらさきのスカートの女』 淡々とした狂気が気持ちいい、 どんどん読める芥川賞。 語り手の女性の近所には、 「むらさきのスカートの女」と呼ばれるちょっとした有名人がいる。 彼女は髪はボサボサ、多分貧乏、 時期によって仕事した…

しっかり米粉!しっかりうまい!体にうれしい蒸しパンミックス。

食べること#66 米粉むしぱんミックス おいしいグルテンフリースイーツが食べたーい!!! と思い立ち買ってみた、 ハト畑の米粉むしぱんミックス。 京都で農業をしながら加工品の製造・販売を手がける、ハト畑。 産地とからだにやさしい商品がいろいろ。 入…

大人たち、心して必読。山田詠美『ぼくは勉強ができない』

読むこと#47 山田詠美『ぼくは勉強ができない』 うわあ、なんか全部言われちゃった。 うっすら思っていることをぜんぶ見透かされて刺さりまくって、思わず笑ってしまった小説。 主人公は、男子高校生・時田秀美。 この秀美くん。 大人、つまり読者の固定観念…

わざわざ食べに行きたい、北野天満宮お膝元の生ゆば丼。

食べること#65 生ゆば丼 もう響きから最高、生ゆば丼。 湯葉の、丼。 笑みがこぼれる。 少し前に京都に行って、ずっと行ってみたかったお店へ。 北野天満宮のすぐ目の前、 京豆腐と湯葉の専門店「とようけ茶屋」。 老舗の豆腐屋さん「とようけ屋山本」が、 “…

全てのもがく人へ、静かな処方箋。津村記久子『ポトスライムの舟』

読むこと#46 津村記久子『ポトスライムの舟』 読むとすっと楽になる。 働いてる人、毎日お金のこと考えてる人、自分と誰かを比べてばかりの人、 一度読んでみてほしい。 芥川賞受賞作だけど、 いい意味で芥川賞過ぎなくて好き。 庶民派というか、すごく読者…

暑い日の夕方ベランダで飲みたい、やさしいうめスパークリング!

食べること#64 KIMINO スパークリングうめジュース 予約投稿の設定を間違えて、毎日投稿が途絶えて落ち込んでいます、ぽんです。 毎日20時更新、読んだ本と美味しいモノのこと。 と謳っているのに、やってしまったぁ…。 気をとりなおして。 今日は全国的に気…

のり×たま×専門店のアレ。心のふるさとアップデート。

食べること#63 のりさんとたまごさんとごまやんとかつおさん この可愛い、懐かしいふりかけ。 和田萬のふりかけシリーズから、 のりさんとたまごさんとごまやんとかつおさん。 和田萬は、明治創業の乾物屋さん。 現在はごま専門店だそう。 ごご、ごま専門店……

気分は”大人の給食カレー”。最強のふつうのレトルト!

食べること#62 マースカレー ”昔ながらのウマいもの”の香りがプンプンする、 このパッケージ。 株式会社オリエンタルの、マースカレー。 オリエンタルは愛知県に本社があって、東海地方ではなじみ深い商品らしいです。 1960年代にヒットしたらしく、”懐かし…

あんバタ狂信者が推す、神保町の名喫茶の背徳メニュー。

食べること#61 小倉バターサンド あんバタ教に入信して、もう何年経つだろう。 そんなぽんにとって、キングオブあんバタがこれ。 神保町の老舗喫茶「トロワバグ」の、 小倉バタートースト。 美しすぎるバイカラー配色。 運ばれてきたとき歓声があがるビジュ…

哀しさの先に、きっと毎日が愛しくなる。千早茜『夜に啼く鳥は」

読むこと#45 千早茜『夜に啼く鳥は』 不老不死、 誰でも一度は憧れたことあるはず。 でも、本当になったら。 ぐっと考えさせられる、哀しい物語。 主人公は、不老不死の一族たち。 始祖と思われるひとりから、 その後継たちの話が短編で描かれています。 ど…

かじるカカオ!チョコ好き必修のサンドクッキー。

食べること#60 カカオサンドクッキー おねがいチョコ好き一度は食べて。 Dari Kのカカオサンドクッキー。 味いろいろ、 ミルク、ダーク、ホワイト、抹茶、ストロベリー…。 迷いに迷い、 ひとまず今回は、ベーシックなミルクを。 上品なサイズ感なのに、 チョ…

堂々ビジュ、あずきが舌に楽しい自然派ようかん。

食べること#59 小豆蒸しようかん この、 でえーーーんと堂々たるビジュアル。 素材がダイレクトに美味しい無添加ようかんです。 宇都宮の老舗和菓子屋さん、若山商店の蒸しようかん。 味は4種類、 お芋、小豆、黒豆、栗。 どれにしようか迷って… ツヤツヤど…

無駄な旅なんて無い。原田マハ『旅屋おかえり』

読むこと#44 原田マハ『旅屋おかえり』 どうしようもなく 「ただいま」「おかえり」と言いたくなる小説。 主人公は売れない30過ぎのタレント、 “おかえり”こと丘えりか。 零細事務所で細々やってきたけど、 唯一のレギュラー仕事の旅番組が打ち切りに。 あわ…

ご飯がすすむ、サラダもすすむ!やさしいカレーふりかけ。

食べること#58 和風カレーふりかけ ごはんのお供に目がないぽん、また見つけた。 ご飯はもちろん、 料理の味付けやドレッシング代わりにも使える万能選手。 白ごはん.comの、和風カレーふりかけ。 (画像は白ごはん.comサイトよりお借りしました。) うん、 …

気づいたら、もう日常に戻れない。辻村深月『きのうの影踏み』

読むこと#43 辻村深月『きのうの影踏み』 辻村深月のホラー短編集。 実はホラーと知らずに読み始めて。 一編目で 「うっへえ……」 と言ってしまった。 勝手に青春系だと思ってたヨー…。 いわゆるおばけ=心霊現象の話というより、 日常に潜むちょっとした違和…

和菓子好きに届け、白あん×蜜漬け梅=目がさめる美味しさ!

食べること#57 青梅 和菓子のはなし、続きます。 時々のぞいてる和菓子屋さん「あけぼの」。 店頭ポップにこう書いてあって。 「今年も始まりました」 「リピーター多し!」 なにそれ…気になるじゃないか。 買ってみた。 そしたらこれ、衝撃の美味しさでした…

ずーっとお金のこと考えちゃう人へ。垣谷美雨『老後の資金がありません』

読むこと#42 垣谷美雨『老後の資金がありません』 こんな小説、アリ?と思いながら、あっという間に読んでしまった。 始まってから終わりまでずーっと、 主婦のお金の悩みの話。 主人公の主婦・篤子は、コツコツ節約に励んで貯金してきたけど、 娘のハデ婚や…

よもぎ×求肥、春の香りが美味しい贅沢和菓子。

食べること#56 蓬ふくさ こどもの日、なに食べよかな…。 柏餅はもう色々予習で食べてしまったので、これ。 菓匠清閑院の、蓬ふくさ。 (画像は清閑院サイトよりお借りしました。) ◯◯ふくさって色々なところが出してるけど、 どれも“美味しいの全部詰め込ん…

“幸せ”とは、“ドラえもんとのび太”。よしもとばなな『デッドエンドの思い出』

読むこと#41 よしもとばなな『デッドエンドの思い出』 洗われたような気持ちになりながら、 気持ちの奥の方がちょっとチクッとする短編集。 どれも、 誰かと出会い日常を紡ぐことの愛おしさと、離別の切なさを描いています。 どの作品も、よしもとばななワー…

シンプルで切実な、読書史上いちばん好きな場面。『風が強く吹いている』

読むこと#40 三浦しをん『風が強く吹いている』 いつまでも忘れられない作品って、誰にでもある。 ぽんにとっては、 三浦しをん『風が強く吹いている』です。 今週のお題「名作」 ということで、 改めて、大好きな小説について書きたいと思います。 主人公は…

あのドラマのプリンアラモードが新丸子にあると聞いて。

食べること#55 プリンローヤル 喫茶まりも GWも仕事なので、 トキメキ食べ物の記憶で乗り切りたい。 プリンアラモード。 あゝ、なんて夢の詰まった響き。 某ドラマに登場したプリンアラモードのお店が意外と近くにあると知り、少し前に聖地巡礼決行しました…

どんな自分がいいのか、鏡に問いかける。湊かなえ『カケラ』

読むこと#39 湊かなえ『カケラ』 テーマは美醜。ずしっときます。 ぽんは、ミステリーにハマった1番最初の記憶が湊かなえ。 “イヤミス”というジャンルを初めて肌で感じたのも湊かなえ。 モヤモヤしながら一気読みしたい… というときは帰ってくる、原点みたい…