それでもハラは減る

毎日20時更新、読んだ本と美味しいモノのこと。

タイトルから共感lv.100。津村記久子『とにかくうちに帰ります』

読むこと#37

津村記久子『とにかくうちに帰ります』

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タイトルの引力たるや。

著者の作品は好きでちょこちょこ読んできましたが、本作は初めて。

 

 

 

表題作ふくめ、3編収録。

 『職場の作法』

『バリローチェのファン・カルロス・モリーナ』

『とにかくうちに帰ります』

 

…ぜんぶ読まずにいられないタイトル。

ぜんぶ面白い。

 

 

 

どれも、なんかちょっとひねくれているというか理屈っぽいというか、

綺麗じゃないキャラがたくさん出てくる。

でも、汚い人間はあまり出てこないような。

 

絶妙に、現実にいそうでいなさそうでいそうなライン。

善人でも悪人でもない人間臭さがクセになる。

 

 

 

 

いちばん好きだったのは、表題作。

 

 

豪雨で公共交通機関がストップ、

歩いて帰る羽目になった人たち。

強い雨でどんどん濡れて冷えて消耗しながら、同じ状況の人といっしょに歩きます。

 

 

年齢も性別も置かれた環境もそれぞれだけど、

うちに帰る、という目的は同じ。

 

 

自分の家で、くつろぐ。

みんなとにかくそれが恋しくて恋しくて、うちに帰るために歩く。

 

 

給料も今のままでいいし、彼女もできなくていいから、部屋でくつろぎたいんです!

(本文より)

 

 

という言葉に、いや大げさ!

でも、

分かる!!!

 

 

と思わずニヤニヤが止まらない。

豪雨のなかってシチュエーションだから倍増してるけど、うちでくつろぐって何にも代え難い快楽。

 

 

そう、そうだよ、帰るために家出てんだよ毎日

帰るからこそ、あしたが、毎日があるんだよ。

 

 

 

著者の作品を読むと、なんというかいつもの生活の彩度が変わる気がする。

これだから読書はやめられない。

 

ひと味ちがう!小豆島のコク深しょうゆあげせん。

食べること#51

島の味

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あげせんラバー通ります、

これおいっしい。

 

 

香川県小豆島でつくられている、

タケサン食品の「島の味」。

(タケサン食品サイトよりお借りしました。)

 

 

甘口の醤油あげせん、

というとよく見る感じだけど。

 

使われているのは、小豆島特産の「タケサン醤油」。

この味付けがなんとも、甘くて濃くて、濃い。

よくある醤油味よりもしっかりめのコク深さがたまらない。

じわっと広がる濃い味が、満足感大。

 

 

 

そして島の味は、食感がイイ。

バリバリかためのあげせんというよりは、

舌に乗せて少しするとじゅわっとほどける感じ。

 

 

 

 

あげせん、前にも紹介してなかったっけ。

 

 

そう、してます。

 

食べること#31で、

おかき屋さんの「割れたんねん」を紹介しました。

 

 

 

どっちもおいしい、

どっちもおいしいんだけど、

 

シンプルな甘め醤油の旨みと、じゅわっと歯応えを楽しみたい

→島の味。

 

リンゴや蜂蜜なども混ざった、素材の深い優しい味わいを楽しみたい

→割れたんねん。

 

 

 

ぽんはどっちもストック買いしてます。

 

 

 

 

 

悩ましいことが一つだけ。

 

 

あげせんって、食べ出したら止まらないんだ…。

気づいたら一袋なくなってんだ…。

まあいい、幸せな悩みです。

次はどこのを食べようか。

 

笑えて泣けて、家族全員+αの成長物語。重松清『なきむし姫』

読むこと#36

重松清『なきむし姫』

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子どもだけじゃなく、親だけじゃなく、

家族みんな成長するホームコメディ。

 

みんないい塩梅に人間臭くて、でも軽やかに読めるのがイイ。

 

 

 

タイトル「なきむし姫」は、主人公アヤのこと。

昔から引っ込み思案で泣き虫、幼なじみで夫の哲也にいつも頼ってきた。

 

 

 

のですが。

 

突然決まった、夫・哲也の単身赴任。

1年間。

 

 

 

2人の幼い子どもたち、

控えめでプレッシャーに弱い「ブンちゃん」と、活発な野生児「チッキ」を抱えて不安いっぱい。

 

 

 

そこに、アヤと哲也の幼なじみ「健」が引っ越してきます。

シングルファーザーとして。

 

健は昔から豪快でガサツで、ちょっと掴みどころが無いところも。

父親になってからもそのキャラは変わらず。

 

 

 

 

アヤが格闘するママ友問題や、子育ての悩みにい〜い具合に首を突っ込んでいきます。

 

 

その様子が、くすっと笑えたり涙がにじんだり。

ニヤニヤしながら、応援しながら見守りたくなります。

 

 

 

 

やっぱり重松清作品だなあと思うのは、

随所随所に、ちょっとうるっと来るようなフレーズが散りばめられていて。

 

 

ぽんが1番好きなのは、

哲也の単身赴任先でのプロジェクトが頓挫気味になり、人員の早期入れ替え、

つまり哲也が予定よりも早く戻れるかもしれないとなったとき。

 

 

健が言うんです、

逃げ場にしちゃダメだって。

 

 

哲也には、家族を仕事の逃げ場にするなと。

 

家族とギスギス気味で、哲也と入れ替わりで単身赴任したがっていた同僚には、

仕事を家族の逃げ場にするなと。

 

 

 

健の言葉にちょっとドキッとしながら、

単身赴任を最後まで務めようと決心する哲也に胸が熱くなる。

 

 

きっと読むたび、響く言葉が違うんだろうと思います。

これだから読書はやめられない。

 

これでイイ。これがイイ。安心×ジャンク欲満たす袋ラーメン。

食べること#50

さくらいのラーメン

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ときどき無性〜に食べたくなる、袋ラーメン。

それが安心安全で美味しいなら、最高じゃないか。

色々な袋ラーメン食べてきたけど、なんだかこれに落ち着きそうな予感。

 

 

桜井食品が「安心・安全をしっかりと」と作る、「さくらいのラーメン」。

 

(画像は桜井食品サイトよりお借りしました。)

 

 

 

しょうゆにしお、みそなど味が色々あるけど。

とんこつラバーぽん、まずはとんこつを食べてみた。

 

 

 

熱湯で2-3分茹でて、粉末スープと混ぜるだけ。

かやくは入ってないのでアレンジし放題。

 

 

 

まずは麺、

一口目で、余計なものが入ってないのがすぐ分かる美味しさ。

 

 

素朴で歯切れがいい感じ。

なんというか、もちもちむちむちした、

“生麺です!!!”みたいな存在感はないけど、それが優しい雰囲気で食べやすい。

 

 

 

 

一方スープ。

思ったよりちゃんとジャンクな味で美味しいじゃないか…。

魚粉っぽいだしの旨みが程よくきいていて、飲み干してしまいました。

 

 

しっかりラーメン欲が満たされるのに、喉が渇くほどしょっぱくはない。

ぜ、絶妙…!

 

 

 

 

 

そして今回のお供は、

・ネギ

・ゆで卵

・きくらげ

・ほうれん草

・もやし  という布陣。

 

 

 

※きくらげは、食べること#47で紹介した奥出雲のきくらげ。

きくらげ×とんこつ は正義だ。

 

 

 

 

家にある野菜がちょちょっと参戦するだけで、なかなかゴージャスなスペシャルラーメンになる。

家で作るラーメンって、トッピングを自分好みにできるのがイイ。

 

 

ちょっと疲れたって日も、

自分のために一杯ラーメン作れたらまだ頑張れる気がする。

次は何味買おうかな…!

 

“母親を産みたい”。ひたすらに圧倒的な物語。宇佐美りん『かか』

読むこと#35

宇佐美りん『かか』

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タイトルの「かか」=母親と、

娘「うーちゃん」の物語。

 

こっ…れは、ちょっと構えて読んだ方がいいかも。

そのくらい圧倒されました。

 

 

 

「かか」は、いわゆる毒親。

自分の母親や姉に暗い感情を募らせて死ぬと騒いだり、それをうーちゃんはじめ家族にぶつけたり。

 

 

でもうーちゃん、かかを憎んでいるはずなのに憎みきれない。

それがこの作品の暗くて面白いところ。

 

 

かかの痛みを自分のことのように感じてしまう。

かかがもう苦しまなくていいように、自分がかかを産みたい。

産んで、小さなかかのずっとそばにいて説き伏せて、今みたいな辛い人生を送らなくて済むようにしたい。

 

 

 

母親を産みたい。

 

って発想がいやもう、なんだ、読んだときに

「うへぇ…」

と言ってしまった。

 

 

著者が20歳でこの作品書き上げたと聞いて、

ただただ圧倒。

もはや引いてしまった。

 

 

 

また、かなりクセのある語り口調もこの作品の特徴。

主人公が、弟に向かって語りかけているのだけど、

これが「かか語」、

つまり、うーちゃんの母親が使う独特なことばで語られる。

 

 

西国の方言のような響きもありつつ、幼児ことばのような舌足らずな雰囲気。

 

 

この語りが、作品全体に底知れない不気味さをまとわせている。

昔のこわい寓話を聞いているような、

ついつい先が気になる口調。

 

 

自分と家族の、つながりと、つなぎ目のこと。

ずしっと、考えさせられるものがあります。

これだから読書はやめられない。

プチっといちじくが止まらない、大人風味のむちむち寒天もち。

食べること#49

本葛入り寒天もち いちじくワイン

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中川政七商店のスイーツ、続きます。

本葛入りの寒天もち。

そのなかの、「いちじくワイン」味。

 

(画像は中川政七商店サイトよりお借りしました。)

 

 

 

 

寒天…寒天…

ってことは、サクッとつるっとした感じ?

 

 

かと思ったら、

わらび餅とかに近い食感。

むちむちもちもち、幸せな咀嚼。

グミほど抵抗感がなくて、なんか不思議なもちもち感。

これ、ずっと食べていたいなぁ…。

 

もち米を一緒に炊き合わせているからこの食感になるんだとか。

 

 

 

 

味は3種類。

今回食べた「いちじくとワイン」、

「宇治抹茶とあずき」「瀬戸内れもんと蜂蜜」。

 

 

いちじく味がしっかりというよりは、風味がふわっと香る優しい雰囲気。

これは誰にでも食べやすい!

 

 

ワインも、言われなきゃ分からないくらいの風味。

でもたしかに、

ひとさじの風味が甘過ぎず香り過ぎずの絶妙なおとな味をつくり出してる。

 

 

 

 

それと、むちむち噛んでいると、

 

 

ぷちっ

 

という歯ごたえ。

 

 

 

これこれ、いちじくってこれ!

この果肉の食感、たまらない!

この食感が好きでいちじく食べてるまであるからな…。

 

 

 

そしてさすがの気遣いありがとう、

個包装です。

ちょっとしたおやつに、カバンに忍ばせておくとイイ。

他の2つの味もぜひ試したい!

 

ザラメ食感クセになる、まあるいカステラ。

食べること#48

奈良の焙じ茶 丸カステラ

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まんまるフォルムに一目惚れ!

最近ほうじ茶スイーツにハマっていることもあり、買ってみました。

 

(画像は中川政七商店サイトよりお借りしました。)

 

 

 

ほうじ茶味、甘すぎなくてイイ。

甘さではなく香ばしさを楽しめるタイプのほうじ茶スイーツだ。

 

 

底にはザラメ。

こっれがもう良い仕事してる!

ザクザクじんわり甘くて、ほじくるように隅まで食べてしまいたい。

 

ザラメを使ったお菓子って久しぶりに食べたけど、こんなに美味しかったか。

昔ながらの甘みって、時々無性に恋しくなる。

 

 

スポンジの香ばし大人味と、子どもに戻ってような気分になるザラメの甘さ。

最強の相性でかけ合わさってます。

 

 

 

 

ぱっと開けた見た目はパウンドケーキみたいだけど、

素朴な風味と、ザラメの食感。

 

こりゃたしかにカステラだ。

 

 

 

 

※そもそも違いって何だろう…

と気になり調べたら、バターが入るかどうかが大きな違いらしい。

 

カステラには入ってない。

パウンドケーキには入っているから、よりずっしりとコクのある味わい。たしかに。

 

 

 

 

さて、これ2個買いました。

1個はそのまま食べたので、

もう一個は少しアレンジしちゃおうか。

 

アイスクリームをのせてもいいし、

いっそブロック状に切ってパフェ風に盛り付けてもテンション上がる。

夢が広がる…。

 

 

ちょっと頑張った日の、秘密のご褒美おやつ。

ストックしておくと、家に帰るのが楽しみになりそう。