それでもハラは減る

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無駄な旅なんて無い。原田マハ『旅屋おかえり』

読むこと#44

原田マハ『旅屋おかえり』

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どうしようもなく

「ただいま」「おかえり」と言いたくなる小説。

 

 

 

主人公は売れない30過ぎのタレント、

“おかえり”こと丘えりか。

 

零細事務所で細々やってきたけど、

唯一のレギュラー仕事の旅番組が打ち切りに。

 

あわや事務所全員で失業…というところ、

あるきっかけから新しいビジネスを始めます。

 

 

 

それが「旅屋」。

旅に行きたくても行けない人のために、

代わりに旅をする、というもの。

 

なにそれ…と初めは思ったけど。

 

 

 

依頼人の気持ちをくみとり、体当たりで行って見て感じるおかえりの姿と、

彼女と旅先の人たちの出会い。

読みやすいけど、読みごたえある。

 

 

 

ところどころ、

あぁ、大事なことだよなぁ、と思える言葉が散りばめられていて。

 

 

特に心に残っているのは、

「無駄な旅なんて無い」

 

目的が決まってなくても、行き先が分からなくても。

いつか何か握りしめて帰れるはず。

生きていくうえで、じんわり大切にしたいことだなと思います。

 

 

 

キャラクターたちがクセ強なのもイイ。

特におかえりは、

終始果てしなくエネルギーに満ちてます。

 

「旅が好き」ってほんとそれしか言わなくて、

ちょっと楽観的だったり抜けてたりもするのだけど。

 

ぐんぐん知らない世界に漕ぎ出してほしい。

そう思わせてくれる、不思議なエネルギーに満ちた主人公。

 

 

 

 

これ映像化みたいなぁ…

って思ってたら、

 

 

してた。NHKで。

しかも第2期もやってる。

わかる、面白いもん。

 

主演・おかえり役は安藤サクラ。

ぽんの脳内イメージとは違ったけど、すごくみたくなるキャスティング。

現在、みられる方法無いか探し中…。

 

 

 

 

「ただいま」「おかえり」

って、こんなに温かい言葉だったんだって気づかされる。

この言葉を言うために、どこかへ出かけたくなる。

これだから読書はやめられない。