それでもハラは減る

毎日20時更新、読んだ本と美味しいモノのこと。

このひとと出会えたから、私は私でいられる。宮下奈都『ふたつのしるし』

読むこと#31

宮下奈都『ふたつのしるし』

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『羊と鋼の森』を読んでから、

著者が描く“不器用なひと”がとても好き

 

 

不器用で、でも芯と呼べる静かなたしかな部分をもっているひと。

読んでいると、優しい気持ちになりながらも背筋が伸びる気がする。

 

 

 

 

本作も、不器用ながら懸命に生きる2人が主人公。

 

 

浮かないように妬まれないように、美しい見ためを隠して、馬鹿っぽく振る舞ってきた遥名。

 

人とは少し違うことに興味や集中が向いてしまい、幼い頃から周囲に馴染めなかった温之(はるゆき)。

 

 

 

それぞれ窮屈な思いを抑えて、もがくように、ときに投げやりに生きてきた2人。

2人が出会い、家族になるまでの物語。

 

お互いを見つけてから、ぐっと人生が自分のものになっていく様子、じんわり温かい気持ちになる。

自分にはこんな存在いるかな、と考えさせられる。

 

 

 

 

途中まで2人の人生がクロスすることは無くて、同じ時点でそれぞれの物語が展開されます。

 

出会いと、出会ってから一緒になるまでがやや唐突な気もするけど、

案外実際の出会いってそんな感じかも。

 

 

もう自分の一部みたいな家族。

嬉しいことも愚痴も1番に話したい友人。

何かが一つずれていたら、出会うことはなかったかもしれない。

出会っていなかったら、私の人生はきっともっとつまらなかった。

 

 

自分と、自分と出会ってくれた周りのひとたちと。

すべてひっくるめて、人生って悪くないかもなと思えてくる小説でした。

これだから読書はやめられない。

 

1尾丸ごと!甘えび喰らう、旨みの味噌汁。

食べること#43

ずくいらず 甘えび すや亀

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甘えび丸ごと1匹お味噌汁。

完全にビジュアルにやられて買ってしまった。

何この心おどるめでたい景色。

 

(画像はすや亀サイトよりお借りしました。)

 

 

 

 

気になるのが、

商品名「ずくいらず」。

 

ズクイラズ?

 

 

「ずく」とは、長野の方言で「根気」とか「やる気」という意味だそう。

ずくがいらない、つまりやる気がなくても、

お湯を注ぐだけで完成の味噌汁。

 

それが「ずくいらず」。

 

 

 

 

って聞いて、飲んでみたら。

 

 

 

 

 

……これがずくいらずで飲めてしまっていいの⁈

 

 

ってくらい、エビと赤味噌がウマァ…。

エビ×赤味噌ってこんなに美味しかったんだ。

 

 

化学調味料に頼らない、素材本来の天然だし。

ふわっと優しい香り、これは癒される。

 

 

 

そして、エビは。

もう丸ごとばりばり食べます。

エビがそのまま入ったお味噌汁ってなかなか無い。

ちょっと良いお寿司屋さんに来た気分。

 

 

ぱりっと感を残しながらも、汁気を吸ってちょっとくたっとしてる。

この食感の楽しさも食欲そそる。

 

 

丸ごと噛むとまた、エビの旨みがじゅわ〜。

汁に溶け出した旨みとはまた違う、ダイレクトな美味しさ。

2段階でエビだし堪能、幸せだぁ…。

 

 

 

 

ちょっと疲れて“ずく”が無いときも、

ちょっとしたお祝いディナーにも。

これは家に一つあると、心の健康促進剤になりそう。

 

超本格、なのに読みやすい医療ミステリ。小松亜由美『誰そ彼の殺人』

読むこと#30

小松亜由美『誰そ彼の殺人』

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読む決め手になったのは、著者のプロフィール。

 

 

ミステリー好きぽん、

それっぽいタイトルは一旦手に取る。

実際に読むかは、ぱらぱらめくったり、帯とか見たりして決めるのだけど。

 

今回は。

 

 

 

著者が現役の法医学者だと知り、”これは面白そうレーダー”が反応。

読んでみたら、うん、面白い。

 

 

 

 

主人公は、大学で法医学者として働く女性。

優秀だけどちょっとつかみどころの無い上司と一緒に、

身元や死因の分からない死体を解剖しています。

 

 

 

…ここまで聞くともう、あれを思い出す人も多い?

 

そう、ドラマ『アンナチュラル』。

 

 

ぽんもはじめ、もしかしてこれドラマの原作?と思ったくらい。

(調べたら、アンナチュラルは原作なしのオリジナル脚本でした。

プラス、つくられた時期は本小説の方が少し後。)

 

 

 

 

で、読み進めると…

あ、似てるようで似てなかった。

 

 

 

本作は、本格医療ミステリ。

『アンナチュラル』は人間模様が見どころだったと思うけど、

本作はとことん、科学の視点で話がすすむ。

 

 

 

どのくらい本格かというと。

解剖シーンに何ページもつかってるんです。

普段なかなか耳にしない臓器や生理現象の名前やら”○○切開”やら、

ここまでの小説、あまり見たことない。

 

 

苦手な人は苦手かもしれないけど、

このリアルさ、作者がプロの法医学者だからこそ。

 

 

 

一方で。

 

 

ここまでがっつり専門的に引き込んでくれるのに、

主人公の思考回路は意外と”非”科学的。

(法医学者としてはまあまあ優秀な設定なのだけど。)

 

 

ちょっとオカルトっぽい空想が好きだったり突飛な推理をしたり。

読者に近い感じがして、この性格のおかげで一気に読みやすい。

 

 

 

本格医療ミステリ、なのに読みやすい。

この良い意味でのアンバランスさ、

これだから読書はやめられない。

 

わたしの知らない、ブラッドオレンジの世界。

食べること#42

タロッコオレンジ

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人生たぶん初、

ブラッドオレンジを食べてみました。

 

(画像は浜中屋サイトよりお借りしました。)

 

 

 

もともと目当てで買ったわけではなかったのだけど、

柑橘詰め合わせセットにさりげな〜〜く入ってた。

 

タグには「タロッコオレンジ」。

 

 

 

 

見た目はよくあるオレンジと似ていて、

若干小ぶりで濃いというか渋い色をしてるかも?

 

びっくりしたのは、ナイフを入れたとき。

 

 

 

 

第一印象:

え、コレ大丈夫なやつ??

 

 

 

 

ブラッドオレンジにはいろいろ種類があるらしく、

そのうちの一つが「タロッコ」。

 

 

ナイフを入れた時には、

タロッコオレンジ=ブラッドオレンジ

がまったく頭になかったぽん。

 

リズムの良い可愛い名前だなぁ、くらい呑気に構えてたもんだから、

ぶわーっとにじむように、赤いサシのように入った線にまあまあ恐れ慄いた。

 

 

生物としての、

“コレ食べて大丈夫かセンサー”

が一瞬で総毛立ってた気がします。

 

 

 

でも調べてみたら、どうやらコレはこういう果物らしい。

そして美味しいらしい。

 

 

 

ならば。

 

 

一切れ食べてみたら…はい美味しい!

 

 

オレンジとよく似てるんだけど、

オレンジには無い風味がある。

ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ大人の味。

グレープフルーツとか好きな人は絶対好きだぞこれ。

 

 

 

旬は4月上旬に始まったばかりだそうで、

もう少しの間楽しめそう。

 

 

国産のものはまだそんなに大量生産されてない果物みたいだけど、ちょっとクセになっちゃってもう一回食べたい。

直売所徘徊、決定です。

 

コレ食べに松本に行く!むちむちもっちり蕎麦団子。

食べること#41

蕎麦団子

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松本loverぽん、これを食べに松本に行く、という多分知られざるグルメがあります。

 

 

それが、蕎麦団子。

(画像は DOMINISTYLEサイトよりお借りしました。)

 

 

 

蕎麦は有名中の有名グルメだけど、

“蕎麦団子”は食べたことない人も多いのでは。

その名の通り、蕎麦粉にお湯を加えてねりねりした団子。

 

 

 

出会いは、初めて松本に行ったとき泊まったホテル、

「あづみの湯 御宿野乃松本」。

 

(この、御宿野乃が大好きで!

ドーミーイン系列の、ちょっと良い和風ビジネスホテルって感じ。

全国の御宿野乃を制覇するのがぽんの野望!

…というのはまたのお話。)

 

 

 

 

ホテルの朝食バイキング、和メニューのコーナーに並んでました。

気になって食べてみたら。

 

 

 

もーー食感と後味のトリコです。

 

 

むにっ

もちっ

もそっ

 

としていて、

団子というよりつみれというか…

 

舌触りはつみれっぽい凸凹感がありながら、むにっとした弾力はキミやっぱり団子だな…!

なんとも言えないクセになる!

 

 

味はすっきり素朴な感じ、

ふわっと香る蕎麦の風味が上品。

何か味つけてるのかな…塩気とか甘みは強く感じないのに、絶妙な旨みがこれまたクセになる!

 

 

 

画像のように、2個くらい入った小鉢で提供されてたのですが、3回もお代わりしてしまった…

いいよね、バイキングだから…。

これがバイキングの醍醐味だい…。

 

 

 

 

ぽんが食べたのは、鶏そぼろのあんかけみたいなごはんver.だったけど、

あんこやきなこを合わせる食べ方もあるらしい。

こりゃまた松本に行かねばならない。

 

 

このからだで生きることが愛おしい。窪美澄『すみなれたからだで』

読むこと#29

窪美澄『すみなれたからだで』

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「性」と「生」がテーマの短編集。

主人公の性別もおかれた環境もさまざま、

性的嗜好も悩みもさまざま。

 

 

どの作品もボリュームとしては多くないのだけど、

主人公たちが自分の抱えるからだと性について考える姿、スラスラとは読み流せない。

ぐっと重いものが残る話も多かった。

 

 

 

かなり作品によって雰囲気が違うので、

私はこれ、というのが人によって分かれそう。

 

 

 

 

ぽんは、『猫と春』が1番好き。

 

 

アルバイト生活をしながら、彼女と同棲する男性。

年齢も30を前に、生活や将来のこと、考えることも多いなか、彼女といることに絶対の理由を見出せずにいる。

それはきっと彼女もそう。

 

 

そんな2人の生活に、1匹の猫が迷い込む。

ラスト、お互いのいる生活を再認識する様子が、少し切なくて詩的で優しい。

年齢が近いせいか、主人公が悶々とする姿にきゅっと切なくなるものがある。

 

 

 

 

このからだで生きていく限り、そこで起こる変化とは無縁ではいられない。

そのことが、少し怖くもありまた愛おしくも思えてきます。

これだから読書はやめられない。

 

 

リコピン3倍、ぎゅーっと絞ったトマトとりんご!

食べること#40

毎日がとまと曜日 トマト&アップル ダイセン創農

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トマトジュース大好きぽん、

いっちばん好きなのがこれ!

 

 

秋田県大仙市・ダイセン創農がつくっている

「毎日がとまと曜日」。

いくつか種類があるのだけど、今回は「トマト&アップル」。

この色よ…綺麗だなぁ…。

 

 

 

トマトとりんごの果汁が1:1でブレンドされていて、とても飲みやすい。

甘い。

もう、デザートか?ってくらい甘い。

 

 

でも。

後を引かないくどくない。

 

 

 

ぎゅっと濃い果汁系のジュースって、

少しえぐみというか後味が残ることが多い気がするけど、このジュースはそれがない。

 

 

口に含むと、甘さと少しの酸味がぱっと口に広がって、

飲み込むとすっと消える。

トマトの少し青い風味が、クセなく香るのもイイ。

トマト好きは、この香りが好きなんだぁ…!

 

 

 

有名大企業のものからローカルものまで、トマトジュースは色々飲んできたけど、

素材の強さ×飲みやすさのバランス、とまと曜日がダントツだと思う。

 

 

 

 

製造者 ダイセン創農のキャッチコピーが「四季をしぼる」だと聞いて納得。

 

 

こっれは、四季しぼってるわ。

しぼって、余計なもの入れてない。

だからクセがない飲みやすい。

 

 

 

また、使われているトマト「なつのしゅん」は、リコピン含有量が通常の3倍以上だとか。

 

暖かくなってきて、外を出歩いた帰り。

くーっとリコピン補給して、それがこんな美味しいなんて最高です。

箱買いして毎日飲みたい。