読むこと#11
群ようこ『たべる生活』
くすっと笑えたり、耳が痛かったり。
たしかに食への意識が変わるエッセイでした。
1冊まるまる、テーマは”食”。
大半が、周囲の食生活について思うことがつらつら綴られている。
著者は毎食、冷蔵庫にある食材で自分が食べる分だけ食事をつくる。
一人暮らし、電子レンジは持っていない。
季節やその時々の体調を考え、どんな食材をどれだけの量、どんな調理法で食べるのか。
料理が好きではないと言いながらも、
自分の体と常に向き合って食べる姿は、
丁寧にメンテナンスしているようで印象的。
そんな著者の、ややお節介にも聞こえる語りは、なんとも耳が痛く、タメになる。
そういえば。
本作を読んでから、食事日記を始めました。
1日の終わりにその日食べたものを書き出す、というもの。
手帳にひたすら並ぶ日付・料理の羅列。
でもこれが面白くて。
この日寒かったから辛いもの食べたんだよなあ、とか、
たしかこの日は仕事で嫌なことがあって…あ、やっぱりどら焼き食べてる。
という具合に、日記以上に雄弁。
やっぱり。
当たり前だけど。
私たちは、食べたものでできている。
食への興味を深める良いきっかけになりました。
これだから読書はやめられない。